ピストンリングの異音とは

2020-09-23

エンジンシリンダー内の異音は、ピストンのノック音、ピストンピンのノック音、ピストントップがシリンダーヘッドに当たる音、ピストントップが当たる音、ピストンリングのノック音、バルブのノック音、シリンダーのノック音などに集約されます。

ピストンリング部の異音には、主にピストンリングの金属打音、ピストンリングのエア漏れ音、カーボンの過剰堆積による異音が含まれます。

(1) ピストンリングの金属衝突音。エンジンが長期間稼働するとシリンダー壁は磨耗しますが、シリンダー壁の上部がピストンリングと接触していない箇所はほぼ元の幾何学的形状と寸法を維持しており、段差が生じます。シリンダーの壁に。古いシリンダーヘッドガスケットを使用したり、交換用の新しいガスケットが薄すぎると、作動中のピストンリングがシリンダー壁の段差に衝突し、鈍い金属衝突音が発生します。エンジン回転数が高くなると、それに応じて異音も大きくなります。また、ピストンリングが破損したり、ピストンリングとリング溝との隙間が開きすぎたりすると、大きなノック音の原因となります。

(2)ピストンリングからのエア漏れ音。ピストンリングの弾性力が弱かったり、開口部の隙間が大きすぎたり、開口部が重なっていたり、シリンダ壁に溝がある場合などはピストンリングの漏れの原因となります。診断方法はエンジン水温が80℃以上になったらエンジンを停止します。この時、新しくきれいなエンジンオイルをシリンダー内に少量注入し、クランクシャフトを数回振ってからエンジンを再始動してください。これが発生した場合は、ピストンリングに漏れがあると結論付けることができます。

(3) 過剰なカーボン堆積による異音。カーボンの堆積が多すぎるとシリンダーからの異音が鋭い音になります。カーボンの堆積が赤いため、エンジンに早期着火の症状が現れ、エンストしにくくなります。ピストンリング上にカーボン堆積物が形成される主な原因は、ピストンリングとシリンダー壁の間の密閉性の欠如、過剰な開口ギャップ、ピストンリングの逆取り付け、リングポートの重なりなどです。潤滑油は上向きに流れ、高温高圧のガスは下向きに流れます。リング部分が焼けてカーボンが堆積したり、ピストンリングに固着したりしてピストンリングの弾性やシール効果が失われてしまいます。通常、この不具合はピストンリングを適切な仕様のものに交換すると解消されます。