カムシャフトの役割とよくある故障

2021-09-09

カムシャフトはエンジンの重要な部品の一つです。カムシャフトの本体は、シリンダグループとほぼ同じ長さの円筒状のロッドです。バルブを駆動するためのカムがいくつかあります。したがって、カムシャフトの主な機能はバルブの開閉を制御することです。
カムとタペット間の接触応力は非常に高く、相対的な滑り速度も非常に速いため、カム作動面の摩耗はより深刻です。このため、カムシャフトジャーナルやカム作動面には、高い寸法精度、小さな表面粗さ、十分な剛性、さらには高い耐摩耗性や良好な潤滑性が求められます。

よくある故障

カムシャフトの一般的な故障としては、異常摩耗、異音、破損などが挙げられます。異音や破損が起こる前に、異常摩耗の症状が現れることが多いです。
(1) カムシャフトはエンジンの潤滑システムの終わりに近づいており、潤滑状態は楽観的ではありません。過度の使用時間等によりオイルポンプの供給油圧が不足したり、潤滑油通路が詰まりカムシャフトまで潤滑油が届かなかったり、ベアリングキャップ締結ボルトの締付けトルクが大きすぎて潤滑油が不足した場合には、カムシャフトの隙間にオイルが入り込まないとカムシャフトの異常摩耗の原因となります。
(2) カムシャフトが異常摩耗すると、カムシャフトと軸受座との隙間が大きくなり、カムシャフトの移動時に軸方向の変位が発生し、異音が発生します。また、異常摩耗により駆動カムと油圧タペットとの隙間が増大します。カムと油圧タペットが組み合わされると衝撃が発生し、異音の原因となります。
(3) カムシャフトには折損等の重大な故障が発生する場合があります。一般的な原因は、油圧タペットの亀裂またはひどい磨耗、潤滑の深刻な不良、カムシャフトの品質の低下、およびカムシャフト タイミング ギアの破損です。
(4) カムシャフトの故障は、特にエンジン修理時にカムシャフトの分解・組立が適切に行われていない場合、人為的な原因で発生する場合があります。例えば、カムシャフトのベアリングキャップを取り外す際に、ハンマーやドライバーを使って圧力をかけてこじったり、ベアリングキャップを取り付ける際に、ベアリングキャップの位置とベアリングシートの位置が合わなかったり、ベアリングの締結ボルトの締め付けトルクが合わなかったりする場合があります。ベアリングキャップが大きすぎます。軸受カバーを取り付ける際は、軸受カバー表面の方向矢印と位置番号に注意し、軸受カバー締結ボルトをトルクレンチを使用して規定トルクで厳重に締め付けてください。