エンジンシリンダーヘッド材質

2020-07-20

シリンダヘッドは一般にねずみ鋳鉄や合金鋳鉄で作られていますが、車両の燃費を向上させるためにはエンジンの重量化が避けられず、軽量材料の使用はエンジンの品質を低下させる原因となります。軽エンジン(排気量3L未満のガソリンエンジンやディーゼルエンジン)では、シリンダーヘッドに合金材料が広く使用されています。同一構造で鋳鉄素材に比べて40%~60%の質量軽減が可能です。

アルミニウム合金は熱伝導性が良く、冷却性能が良く、シリンダーの材質として優れています。アルミニウム合金にCuを添加すると熱安定性が向上し、Mgを添加すると鋳物の硬度が向上します。

シリンダーヘッドはシリンダーブロックに取り付けられ、シリンダーを上方から密閉して燃焼室を形成します。高温高圧のガスと接触することが多く、熱負荷や機械的負荷が大きくなります。水冷エンジンのシリンダーヘッド内には冷却水ジャケットが作られており、シリンダーヘッド下端の冷却水穴はシリンダーブロックの冷却水穴と連通しています。燃焼室などの高温部分を循環水を利用して冷却します。

シリンダヘッドには、吸気および排気バルブシート、吸気および排気バルブを取り付けるためのバルブガイド穴、および吸気および排気通路も装備されています。ガソリンエンジンのシリンダーヘッドには点火プラグを取り付けるための穴が加工され、ディーゼルエンジンのシリンダーヘッドには燃料インジェクターを取り付けるための穴が加工されます。オーバーヘッドカムシャフトエンジンのシリンダーヘッドには、カムシャフトを取り付けるためのカムシャフト軸受穴も加工されています。